産業保健師の役割「工場などで肉体労働に携わる従業員のケア」

産業保健師の役割「工場などで肉体労働に携わる従業員のケア」

産業保健師の中でも、工場を運営している企業で保健活動をされている保健師の方々は大勢います。工場系の企業における産業保健師の役割についていろいろ見ていきましょう。

 

企業では、会社を円滑に運営していくために社員の健康が必要不可欠になります。ここに産業保健師の役割が出てきますが、特に工場運営の企業では、肉体的作業が多いことから社員の労働の質・時間がとても重要なものになってきます。必然的にこの部分にアドバイスを行い、サポートしてくれる産業保健師の存在はとても大きいものになるわけですね。

 

肉体労働と言えば工場だけにとどまりません。例えば建設業に代表される鹿島、清水建設や外食系のマクドナルド、ゼンショー、ワタミなども長時間立っていることが多い仕事ですから産業保健師が必要とされる職場でしょう。

 

さて、工場などに勤務する産業保健師は、まず肉体労働という部分をしっかり考慮しなければなりません。その上で社員の健康管理に良いと思われる様々なことを行なっていく必要があります。例えば、労働時間という部分では「作業手順の見直し」に言及することもありますし、肉体への負担を軽減する部分では「作業導線」について考える必要もあります。企業にとって作業導線は生産性にも関わってくる重要な問題なので、無視することはできません。このように、労働の質・時間に関する提案などは産業保健師の重要な役割の一つです。

 

さらに、長時間肉体労働を強いられる社員には、たとえ社員に健康上の問題がなくても、健康を支援するという考えのもとに体操などの運動を指導していく必要もあるでしょう。もちろん健康の予防という観点から、日々社員の相談にのることも産業保健師の重要な役割です。また、労働だけではなく、人間関係からストレスを抱えている社員もかなり多いので、こういった社員へのサポートもとても大切になってきます。

 

最後に、工場系の企業における産業保健師の求人という部分でお話をしますね。工場などでは機械が導入されている場合がほとんどです。仕事上での突発的な怪我なども普通の企業よりはやや多くなる傾向にあるのは理解できると思います。そうなると労災関連への対応・事務処理なども産業保健師の仕事になってきます。このような状況から、工場系の企業は臨床経験を重視する傾向にあり、産業保健師の募集では看護師を採用する傾向にあるようです。

 

余談ですが、抱えている従業員の数によって産業医が必要な企業もあります。産業保健師は産業医のもとで仕事をする場合もありますから、工場系の企業に勤務する産業保健師には、看護師としての能力も必要になるでしょう。

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