産業保健師の新卒採用が出やすい企業の傾向
学生の方々は大学在学中から就職活動を始めます。もしあなたが産業保健師という職業に就きたいとお考えであれば、産業保健師の新卒者採用の動向は是非知りたいところでしょう。産業保健師の求人を見てみると「新卒者希望」と書かれている募集が意外に少なくないことはわかると思います。
職場の形態にもよりますが、工場系の企業においては、医療機関などで臨床経験をしっかり学んできた経験豊富な保健師の方を優先的に採用する傾向にあります。工場などは一般企業よりも社員が怪我をすることが多いため、看護師としての立場・経験も必要になるからですね。
このような工場系の企業に比べると、いわゆるデスクワークを主体とする企業は新卒者を採用する傾向にあるようです。学生として学んだ知識・技術を職場の中で実践しつつ経験を積んでゆく、そしてこれを業務に活かしていくことになります。企業側の視点で見ますと、「新卒者というのはまだ社会に染まっておらず、企業側の考えに意外に馴染みやすいものだ」という企業の考えが背景にあります。これが新卒者を採用する大きな理由になっているわけですね。
あなたが大学・大学院在学中ならば、産業保健関係に強い教授などに相談してみることもとても大切だと思いますよ。ご存知かとは思いますが、大手企業が新卒の産業保健師を採用しようとする場合、大学の方に直接声をかけることが非常に多いのです。学生であるあなたはこういった状況を利用しない手はないと思います。
さらに新卒者の方が知っておくべきことがありますね。それは、産業保健師の募集が年度替わりであるとは限らないことです。産業保健師は欠員補充という形で募集されることが多いことも覚えておくべきでしょう。つまり前任者が辞めて初めて募集がかかるというわけです。また、行政保健師は3月末で定年退職となりますが、産業保健師では誕生日月が定年という場合もあります。このような求人状況は押さえておいてください。
時代の変化によりグローバル化が進み、経済の低迷など、不況から抜け出せない状況が続いています。労働環境は厳しくなるばかりで、このような中で企業の社員は激烈な能力主義、競争原理などから大きなストレスを受け続けています。彼らを健康面からサポートしていく産業保健師の仕事はやりがいがあるものですが、とても大変な仕事でもあります。
たしかにデスクワークを主体とする企業は新卒者を採用する傾向にありますが、産業保健師全体で見ると、臨床経験が豊富で産業保健師としての経験が豊富な人の方が企業から求められる傾向にあることも把握しておいてくださいね。